(2013/10/13 追記) アンケートの結果を公開しました!! → アンケート結果]
10/5 に東京でコンテナ型仮想化の勉強会を開催し,『Linux コンテナ入門』というお題で発表してきました.
きちんと数えてませんが,100 名前後の参加だったでしょうか (もっと多い?)
@m_asama: つかコンテナ型でこんだけ集まるのおかしくね??
いやまったく同感!!ww
開催に関わるお話,お礼
atnd にイベント登録した当初は「コンテナ型仮想化の勉強会があれば参加したいと思う人を募る会」という,企画者自身が『こんなニッチでマニアックな勉強会で人集まらんやろうなあ.「東京だったら絶対集まるよ」と言われたけどホンマかいな??』という状態で,『いきなり勉強会として募集するんじゃなくて,「面白そうだから行ってみる」という人がある程度集まったら開催を考えよう』というかなり自信のない企画として始まったのでした.(^_^;) 当日申し上げた通り,第一回は内容は濃かったにも関わらず,人数が寂しかったからです.
ところが,関西じゃインベト登録してから数週間,主催者以外の登録がなかったのに,蓋を開けてみるとすぐに人が増えていくと共に,「ええ? ナニこの雲の上の人」みたいな人まで何人も集まってきて,おまけに発表しますよ,というお声と,会場も提供しますのとのお申し出,運営にも協力しますよというお申し出があり,開催を決意したのでした.この時点でイベントには 20 名程度の登録だったでしょうか.自腹でも行ってやろうと思ったのでした.この仮想イベントの時点でありがたいお申し出と,登録していただく人がいなければ開催はしてなかったと思います.改めてお礼を申し上げます.ありがとうございました.昨日の発表者のほとんどの方は仮想イベントの時点で話すことが決まっていた方々でした.
と驚いているうちにみるみる参加者が増えていき,当初予定していた会場の定員を超えた所で,今回も発表していただいた IIJ の山本さんから,IIJ さんの会議室はどうでしょう,というありがたいお申し出があり,お願いしたのでした.あの素晴らしい会議室が使えなければ,ここまで大規模に盛り上がることはなかったかと思います.IIJ 様,山本さん,本当にありがとうございました.
また,登録頂いたときに運営に協力していただけるというお申し出を頂いた @syuu1228 さんですが,会場が決まり,スピーカーも決まっている状態でアドバイス頂いた上に,また懇親会と中継が決まってないみたいなので引き受けます,というありがたいお言葉を頂き,お願いすることになったのでした.結果,どういう風にしていただいたかというのはみなさん既にご覧の通りかと思います.ありがとうございました.
ここら辺りまで決まった時点で,まだ開催までかなり期間があったので,『絶対にある時点を境に人数が減少するよ』と言っていたのですが,驚くことに全く減る気配はなく,それどころかキャンセルの数が増えても,それ以上に参加者が増えるという驚きの展開で,結局,本当に参加者数が減ったのは前日から当日にかけてというオチになりました.参加者数の最高は 163 名までいき,全体で見ると 190 名の方が一度は参加登録をされたという,企画当初は全く考え持つかなかった展開で当日を迎えることになりました.参加の方,本当にありがとうございました.そしてキャンセルの方は是非また次の機会にお会いできることを楽しみにしております.
結局,私が翌日遅くまで東京にいて,帰宅して翌日起きると,@syuu1228 さんにより動画のアップからまとめなどあらゆることが終わっており,私は結果的に「東京に行って帰ってくるだけ」という事になりました.運営に関しては当日言ったとおり,私は「いいだしっぺ」というだけで何もしないまま,運営に関わった皆さん,参加者のみなさんのおかげであのようなすばらしい勉強会が開催できたと思っています.本当にありがとうございました.
各セッションについて
なお,各セッションの動画と資料は @syuu1228 さんにより以下にまとめられています.
Linux コンテナ入門 (加藤泰文 @ten_forward)
まず当日ご質問のあった件に対する回答を.資料は更新済みです (ついでに文字の色も濃くしておきました,遅い!! ^^;).
- [Q] zfs サポートに関して create と clone だけ書かれているが snapshot はどうなのか?
- [A] サポートされます.今回サポートされた lxc-snapshot コマンドは,内部的にはあるルールに従って命名などを行い,内部的には clone を行うだけなので,zfs の snapshot も同時にサポートされています.
- [Q] zfs はどの実装なのか? ZFS on Linux?
- [A] 内部では zfs コマンドを呼び出しているだけなので,特に実装には依存しないと思います.(zfs に詳しくないので細かいオプションの差の影響までは見ていません)
- 良かった点
- 自分自身の発表ですが,特に良かったと思える点はないのですが,勉強会の流れ的には最初に基本的な技術にひと通りさらっと触れて,後のスピーカーの方々の濃いセッションにつなげた点だけは良かったのかなと思っています.
- 反省点 (反省点ばかりですが...)
- 内容を詰め込みすぎて,表面的になぞるだけに終わってしまい,それぞれの技術の説明も十分だったとは言えず,わかりにくい点が多かったのかもしれません.
- 次回からは(もし話すことがあれば),もう少し内容を絞って,それぞれの技術について丁寧に説明したいと思います.
- 頑張ってスライド数減らして,自己紹介をもう少し長くやりたいです (要らん! :p)
- スライドの文字が薄すぎて見えなかった
- 午前中から行ってプロジェクタの調整も行ったのに,その時点でコントラストなどの細かい調整も確認すべきでした.これは運営の問題(私が確認しました_o_)ですね.
- あれは Google I/O のスライド (Google Code Archive - Long-term storage for Google Code Project Hosting.) のパクリだったわけですが,次回から文字の色はもう少し濃いものを使いたいと思います.
- 最新情報の内容が表面的すぎた
- 実は最新情報 (kernel 3.9 以降,lxc 1.0 の情報) は十分に動作の確認とかせずにお話しています.もう少し触ってからお話できたら良かったかなと思っています.
- 内容を詰め込みすぎて,表面的になぞるだけに終わってしまい,それぞれの技術の説明も十分だったとは言えず,わかりにくい点が多かったのかもしれません.
OpenVZ (海老澤 (@ebiken) さん)
lxc の話があるなら当然 OpenVZ だろうと思ってお願いしました.私は実は仕事上では lxc よりは Virtuozzo を触った経験の方があります (商用レベルでという意味で).最近は全く触ってないので,アップデートもかなりあるだろうと思って,その辺りを楽しみにしていましたが,その辺りも含めて OpenVZ の全体像がほどよくわかりやすく,ほどよく詳細に分かるお話で非常に勉強になりました.CRIU は少し触りましたが,ploop なんかは是非試してみたい所です.また,開発体制や人のお話もさすがという感じで面白かったです.:-)
OpenStack環境で、FreeBSD Jail + VIMAGE を使った疑似インターネット実験環境の構築 (山本 茂さん)
実は FreeBSD jail に関する知識が全くなかったので,基本的な所もおねがいします,と企画者特権でお願いした所,快くお引受けくださったのです.これで jail も VIMAGE もなんとなくどういうものか理解できました.後半の「コンテナinコンテナ」のお話も細かい Tips など色々勉強になりました.
Sqale で cgroup に forkbomb 対策入れた話 (MIZZY さん)
実はコンテナの導入事例って一番お話を聞きたい所でした.そういう意味でこのセッションと,この後のセッションは一番楽しみにしていた所でした.さすがプレゼンも慣れてらっしゃるのかテンポも良く面白かったですね.パッチ自体はだいぶ前に拝見はしていて,その時点でリソースカウンターの仕組みをシンプルにうまく使っててすごいなと思っていたのですが,元々あるパッチに対してサッとパッチを書いて,自分たちのやりたいことを実現させるアイデアと技術力はすごいなあと思いました.
PaaSの作り方 Sqaleの場合 (@hiboma さん)
MIZZY さんの発表に続いて圧巻の Sqale でした.とにかく Sqale の内部が丸裸にされるという感じで,そこまで言ってくれるのかすごい! とただただ思いました.でも,エンジニアとして選ぶのならここまで明らかにされてるほうが,「よし選ぼう」とも「こんな構成だったらやめとこう」ともすっきりとした判断材料になりますよね.こういう姿勢は見習わないとなあ.とにかく色々な所にパッチを当てて所望の動きにしている所に技術力の高さが伺えますね.@hiboma さんにはブログなどを通じても色々教わっていますが,ああ,あのネタ,知識はこのパッチにつながってるのね,とかいうのもわかって楽しかったです.
libcgroupとmrubyを使ったWebサーバのリソース制御アーキテクチャ (松本亮介 (@matsumotory) さん)
mruby など様々な方面で活躍中の新進気鋭のエンジニア・研究者松本さんの,今回の勉強会では雰囲気も内容もちょっとひと味違ったセッションでした.まず大学院での研究成果の発表ですので学会発表的で (なつかしw),課題とそれに対する解決策,さらに実証と筋道が通っていてきちんと整理されているので理解しやすいですね.
リクエスト毎に libcgroup を使ってリソース制御を柔軟に行おうというのはアイデアももちろんすばらしいのですが,確かの技術力での開発があってこそ実現できることで,さすがです.あとは様々なサブシステムを使った実装が進むのと,評価についてももう少し細かくなされ,このアーキテクチャがより確かに効果があることが実証できるとすばらしいですね.今後目がはなせない研究だと思います.
まとめ
まだ興奮が冷めてません.この興奮はやみつきになりそうです.そんな頻繁にやるようなテーマではないですが,まだまだ知らない活用事例なんかもありそうなので,今後も勉強会は続けたいなと思いました.とりあえず第 3 回は大阪でやりたいです.次はみんな来てね ^^;
改めて,IIJ さん,山本 茂さん,@syuu1228,発表の皆さん,参加の皆さん(リアルもネット視聴の方も),ありがとうございました.また次回以降も皆さんのお力をお借りすることになると思いますので,よろしくお願いいたします.